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Supporting Create Positive Experiences for Foreign Workers in Japan


3 これは外国人排除のメッセージか?


2025年2月のある民放の番組で、最近特に支持率を集めている国政政党の代表者が「外国人は3か月間日本に滞在するだけで1000万円以上もする高額医療を受けることができる」と発言していました。この発言を聞いた普通の人々は「何故外国人だけにそのような優遇制度があるのか!」と驚き、憤慨したことでしょう。

真実は次の通りです。国民健康保険や協会健保、企業の健保組合に加入して保険料を支払っている方は「誰でも高額療養費制度が適用」されます。仮に1000万円の保険適用診療を受けた場合には患者は300万円(通常3割負担とした場合)ではなく、収入に応じて遥かに少ない自己負担(例えば10万円)で済むような制度になっているのです。(国民皆保険の制度を創り上げた先人たちは本当に素晴らしい仕組みを我が国に残してくれたと思います。)

つまり、冒頭の国会議員の発言は「健康保険に加入している人は、(保険料を払っていれば)例え「加入初日」であっても、高額療養費制度が適用され、本来負担すべき金額より遥かに少ない額で高度な医療を受けることができる」とすべきなのです。何故、この国会議員がことさら「外国人」という主語を使ったのか分かりませんが、結果的に少なからぬ一般の人々に「インフレで日常生活に支障を来している日本人が沢山いるのに、何故外国人だけ優遇するのか!」という誤った感情を植え付けたのではないかと危惧します。

また、2025年2月23日の東京新聞朝刊第一面に「重い病2歳 治療受けられず―在留不許可で無保険状態に」という記事が掲載されていました。その記事には「子どもの権利条約では医療提供の義務」とありました。日本は同条約に批准しており、例え在留資格が無くても「その子供に生きる権利を実現すること」に尽力しなくてはならないのです。これに対し出入国管理庁は「訴訟中(両親が治療を受けさせて欲しいと訴えている)の案件なのでコメントを差し控える」との回答です。

人種・国籍に拘わりなく、人の命を大切にしようと尽力されている関係者がいる中で、国家権力の中枢に近い人々が排他的な言動を行い、その結果「無垢」な日本人をマインド・コントロールすることに通じることになれば極めて残念かつ焦燥感さえ抱きます。

心からお願いします。例え肌の色が違っても、国籍が違っても、人が生きる権利を(彼らが公序良俗に反しない限り)、幸せになる権利を奪わないで下さい。できるならば、彼らが幸せな生活をおくるために「私」は何ができるのかを考えてください、と。恐らく、そう考えることは貴方を不幸にはしません。


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